前回は、瀬戸弘幸さん達を受け入れたセマウル(新しい村)の人々だけが特殊な思想の持ち主の集まりだったから、反日感情が薄く感じられたに過ぎないという事を少しお話しました。
瀬戸弘幸さんが嫌韓に鞍替えして以降に、そ知らぬ顔で勝共思想や統一協会の内情について講釈しているエントリーがあるので紹介します。
せと弘幸Blog「統一教会」と「国際勝共連合」より引用
これは統一教会ウォッチャーの間でもあまり知られてはいませんが、故久保木氏は一人で統一教会に入信したわけではありません。かなりの人数(三桁以上)を引き連れて移籍しています。
現在の日本の統一教会の幹部は、この時の人達によって占められています。韓国の教組の下に入ってまで、彼らがやろうとしたことは一つしか考えられません。
それが『国際勝共連合』の結成へと結びつくのです。彼らが当初から考えていたのは、宗教の衣をまとった政治活動でした。当時、創価学会、生長の家などの新興宗教は政治活動に力を入れ始めていた。
立正佼成会はその頃はあまり政治には熱心な方ではなかった。だからこそ、青年部長を務めたほどの彼(久保木)は、出遅れたことを焦り、新天地を求めたのである。
彼が始めた国際勝共連合は事実上、彼の死去によって幕を閉じた。私はあの統一教会というカルト宗教が日本社会に与えた深刻なまでの害毒と、国際勝共連合の日本の政治に与えた影響力を分けて考えています。
確かにそれは同一の母体ではあったが、詐欺事件まがいの商法や集団結婚式などという反社会性の裏側に、日本の赤色革命に抗した運動があったことも事実でした。
その考えはとても日本の民族思想とはかけ離れたもので、受け入れ難いものだった。しかし、彼らの擬似愛国心を見抜けなかった日本の保守勢力の多くが、彼らに取り込まれたことは事実でした。
久保木の早過ぎる死がなかったら、彼らはまた統一教会から離れ、独自の道を進んだかも知れない。なぜならば、国際勝共連合の理念は文鮮明の北朝鮮訪問によって終焉したからです。
笹川良一氏が彼らを応援したのも分からなくもない。彼は児玉誉士夫と並んで右翼のフィクサーだった。児玉が任侠系団体を右翼に引き込み組織化する中で、笹川はそのような動きには批判的だった。
笹川は国際勝共連合に集う若者の純真さに心を動かされた一人だった。その純真さは洗脳によって作られたものだったが、笹川もまたそれを見抜けなかったのである。
国際勝共連合の成功とは、表向きには真面目な青年が私利私欲を捨て、共産主義の魔の手から日本を救おうと立ち上がっているように見えたことでした。
現在その精神は唯一『世界日報』に引き継がれているようにも見える。しかし、彼らが文鮮明と明確に袂を断たない限り、誰も信用しないでしょう。
後段部分のみ引用しておきましたが、瀬戸弘幸さんが国際勝共連合の内部事情にかなり明るいのが見て取れますね。統一教会ウォッチャーの間でもあまり知られてないことを、さらっと言えるくらいには。
国際勝共連合の結成を協力にプッシュしたのは笹川良一氏と、それに協力したのが児玉誉士夫氏。
ちなみに、瀬戸弘幸さんが右翼デビューするきっかけになったのは、ワイロを大量にばら撒いた糸山英太郎氏の金権選挙の応援でしたよね。
糸山英太郎氏は、笹川良一氏の姪と結婚して縁戚関係にあります。そこで笹川良一氏と児玉誉士夫氏のツテが出来たので、児玉門下生というルートを辿ったものと思われます。
この辺りの人脈は、完璧に国際勝共産連合を作った人たちが後ろに居るんですが、読者の方々の判断に任せます。
wikipedia - 国際勝共産連合 の項あたりを読んで、足りない情報は補完しながら読んで下さい。全部説明すると長くなってしまいますので。
瀬戸弘幸さんは、『笹川は国際勝共連合に集う若者の純真さに心を動かされた一人だった。その純真さは洗脳によって作られたものだったが、笹川もまたそれを見抜けなかったのである。』と、冷めた批評をしていますが、瀬戸弘幸さんがセマウルで出会った韓国の農民たちは、正にこの洗脳によって作られたものだったはずです。
『笹川良一氏が見抜けなかった』と突き放すor手のひら返しすることで、自分だけキレイな場所に居ようとする逃げが、ここに炸裂しています。自分は内部事情に異常なまでに詳しいことを、ここで晒してしまっていながらです。
勝共に異常に詳しい瀬戸弘幸さんならば、「セマウル運動」の基礎的知識もなく、しかも現地に行きながら、そこに居た農民たちが一般的な韓国人の国民感情と違う特別な思想洗脳を受けていることに気づかなかったはずがないですよね。
国際勝共連合の問題点も、今回紹介したエントリーでは批判的に扱っています。ところが、そのほんの少し前には、そ知らぬ顔で「セマウル運動」の正体をぼかして韓国の青年(明らかにこの青年たちは勝共思想で洗脳された統一協会信者の農民たち)との共闘を呼びかけています。
ネトウヨ・嫌韓厨たちにやりこめられて、それが不可能だと悟り、嫌韓に切り替えると宣言したほんの数年前まで、瀬戸弘幸という人はそういう事を繰り返していたはずです。
こういうスタンスで民族派右翼をしてきたのが瀬戸弘幸という人ですから、『ヤクザを右翼にさそったと因縁つけられて日本刀での斬り合いになった』という御本人の説明だけでは、『勝共に否定的な民族派右翼さんを内緒で勝共にオルグしようとして刀傷沙汰』の可能性も否定できない。
もう少し違う観点のお話もしてみたいと思います。
1980年頃は、日本の農村との交流はほとんどなかったはずだと言いましたが、言い換えると、この頃から社会問題化した統一協会の合同結婚式問題で、当時の韓国農村部の状況を直接見て来た貴重な体験を持つのが、瀬戸弘幸さんだということです。
瀬戸弘幸さん自身が統一協会の信者だとは私も考えていませんが、当時、韓国農村部に浸透していた統一協会の実態をつぶさに見たはずですし、合同結婚式で日本から嫁いでいった女性に会った経験も、もしかしたらあるかも知れません。
仮になかったとしても、数年前までは韓国に頻繁に行き来しており、向こうに友人が居ると言っていた瀬戸弘幸さんは、そのツテを使ったり、1980年頃に訪韓していた民族派右翼の方々に聞き取り調査をするなどのジャーナリスト活動を熱心にすることで、合同結婚式後に消息を絶った日本人女性を探すという、瀬戸弘幸さんにしか出来ない尊い活動ができる可能性があります。
ご自分が、韓国で当時やって来たことにあまり触れたくないのでしょうが、せと弘幸Blog」:カルト・統一教会についてのような批評で満足していて良いのでしょうか?
一見、痛烈批判しているように見えますが、実際には全く踏み込んでいませんね。ご自分が見聞きしてきた本当の部分には全く触ろうとしません。
6500人の失踪者が居ることを紹介するのは良いことですが、だったら、その方々の安否を心配している人たちに、瀬戸弘幸さんが1980年代初頭の韓国農村部で見聞きしてきたことを情報として提供なさったらどうですか?
また、今でも農村部に友人が居ること、そのツテで情報収集ができるからと協力を申し出たらどうですか?
なぜ、北朝鮮の拉致が許せないとあれほど声高に言う瀬戸弘幸さんが、こんなにたくさん出来ることがあるのに何もせずに薄っぺらな批評だけでオシマイにするんでしょうか。
セマウル問題は、まだまだ、これだけではありません。次回に続きます。
2 コメント:
現在,瀬戸氏が役員をされている
「NGO・国際連盟・SAGE」
http://homepage3.nifty.com/unr/
ですが,
国際宗教連盟の役員の中には
内田弘慈さん,釈正輪さん,古川隆さん,
清水馨八郎さんなどのように,
世界平和超宗教超国家連合,世界平和宗教連合,
世界平和教授アカデミー,日韓トンネル研究会
といった
統一教会関連団体の関係者が少なくありませんね
>webサイト「CVSG「カンボジアの村を支援する
>会」を紹介します」の「井戸は、どこへ?」と
>いうコンテンツには読み応えがあった。
>
>http://cvsg.rakurakuhp.net/i_85638.htm
>
>トップページを見ると、
>
>手押し式ポンプ式井戸(内田弘慈撮影)
>
>とある。
>
>内田代表の名前を、意外なところで発見した。
>
>「国際宗教連盟(United Nations Sage)」
>http://homepage3.nifty.com/unr/
>
>日本本部の役員に「統一教会」の関係者、釈正輪
>「倭宗管長柿本寺貫主」がいる。
>「ふくろう博士」こと古川隆(のぼる)「NPO法人
>日本アカデミー協会」理事長は
>「世界平和教授アカデミー」のメンバー。
>清水馨八郎「千葉大学」名誉教授は「日韓トン
>ネル研究会」常任理事。
>
>さらに活動報告のページには、
>
>世界平和宗教連合会長 世界平和超宗教国家連合
>理事 前田外治氏とSAGE代表
>天山氏が都内某所で会談
>http://homepage3.nifty.com/unr/top1.htm
>
>とある。
>
>「世界平和宗教連合」「世界平和超宗教国家
>連合」は「統一教会」のフロント団体である。
>
>内田代表はこの「国際宗教連盟」の「高位役員」
>についている。
>http://homepage3.nifty.com/unr/kanbojia.htm
>
>いっぽうの「CVSG」であるが、活動実態について
>の追及が本格化しているようだ。
>1本の井戸を複数にみせかけて報告書を偽装して
>いる、といった、数々の疑惑のある「CVSG」を
>「提携」の相手に選んだ団体がある。
http://duckmole.exblog.jp/9227438/
>統一協会(統一教会)関連団体リスト
>
>IIFWP Interreligious and International
> Federation for World Peace
>世界平和超宗教超国家連合
>
>IRFWP Inter-Religious Federation for
> World Peace
>世界平和宗教連合
>
>PWPA Professors World Peace Academy
>世界平和教授アカデミー
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2006/02/post_752d.html
>日韓トンネル研究会(にっかんとんねるけん
>きゅうかい)は、日本の特定非営利活動法人。
>世界基督教統一神霊協会(統一教会・統一協会)
>系グループ事業の一環である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/日韓トンネル研究会
>清水馨八郎(しみず・けいはちろう)
>
>日韓トンネル研究会常任理事。
http://www.chojin.com/history/2/shimizu.htm
>「NPO法人 エコキャップ推進ネットワーク」
>代表の高田憲治郎は、いつの間にか「国際神霊
>科学研究所」という名称になったらしい「国際
>宗教連盟(United Nations Sage)」に属する
>「国際環境連盟」の代表役員という肩書をもつ。
>専務理事の大海雄一郎は「国際宗教連盟」
>理事長。
>
>ベンジャミン・フルフォードなども所属する
>「国際宗教連盟」には、「統一教会」の活動の
>周辺で観察されるメンバーが数多くいる。
http://maruyakism.blog43.fc2.com/blog-entry-51.html
ご無沙汰してます。そして情報提供ありがとうございます。
色々と調べ物していると、あちこちで勝共や統一の名前にぶつかりますね。
それだけ巨大組織でアチコチに浸透しているという証左でもあるので、即座に瀬戸弘幸さんと直結としてしまうのは気の毒な感じもします。
ですが、結局は似た思想の人が集まるべきところに集まって行くって事でもあるのかな… とも感じます。
このシリーズが終わってから、国際宗教連盟その他についても少し調べてみるつもりです。
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