関係各所の反響を見たかったので、少し更新を遅らせてしまいました。前回予告した、有門大輔さんの主張に触れる前に、少し触れておきたいコラムがあるので、そちらを先にします。
維新政党・新風が平成21年4月13日付で発表した「民族差別を許さない」と題する声明が発表され、党の内外でも瀬戸さん達を擁護or半ば容認するものという解釈と、彼らを批判してバッサリ切ろうとするものという2つの解釈が並存している不思議な状態になっているようです。
新風党員さんらしき方々のブログもいくつか見て回りましたが、その中で比較的まともな風に見える意見を表明している人たちのエントリーを見ると、新風の公式メールマガジンの一節を引用して、本来の新風のあるべき姿を語ろうとしている人が散見されます。
有門大輔さんの主張を読み解く前に、新風内にはこのような見解も存在するという事で、まずは紹介してみようと思います。
新風青年:公式メールマガジン『週刊WIN』 【COLUMN】攘夷と差別の違いより一部抜粋
彼ら(=ネットから政治活動を実践する人たち ※WWW的補足)はネットで自信過剰になっている。実名も明かした自己紹介も出来ず、親に内緒で世の中変わると思ったら大きな錯覚である。自己紹介も出来ずに人間関係が築けるかだろうか。日本にとって一大事なことを親に内緒でして世の中が変わると思うのか。甚だ疑問である。 まして況や自己の勉学を怠り自分の意見と合わない人間を『あいつは在日だ』『おまえは学会だ』とネットで書き記すのは見識が浅いどころの話ではない。デモなどにおいても、『在日をたたき出せ』『ゴミはゴミ箱へ、在日もゴミ箱に』と絶叫するばかりでは、偏狭どころか関東大震災の後のデマゴーグ再来である。
我々が打倒すべきは反日勢力に加担するあらゆる勢力であり、反日政権国家を親日政権国家に転換することである。その鋭意努力なくして、尊皇攘夷・維新変革は成功しない。
維新とは『詩経』大雅・文王篇の一節である『周は旧邦なりといえども、その命これ新たなり』が語源である。要するに原点回帰の運動であり、我が日本にとっては神武肇国の基が原点であり、記紀万葉の浪漫である。
また、攘夷の語源は春秋戦国であるが、幕末の維新運動に強い影響力を持った水戸学の雄、藤田東湖先生が「弘道館記述義」を著し、尊皇思想を位置づけたものである。その精神性は神儒一致、文武合併の精神であり、今日の排外主義とは似て非なるものである。様々な国民運動に関わっていくことは大事であるが、維新政党・新風の関係者たる者、絶対に民族排外主義、民族差別主義であってはならない。
維新政党・新風の目指すものは、国家の誇りと日本の暮らしを取り戻すことである。国家の誇りとは国体明徴であり、日本の暮らしとは氏子、氏神、産土神の信仰に基ずく日本古来の伝統と文化であることを党員・党友は忘れてはならない。
所謂ネトウヨが匿名で世の中を変えられると思うのは錯覚である。デモなどにおいても、『在日をたたき出せ』『ゴミはゴミ箱へ、在日もゴミ箱に』と絶叫するばかりでは、偏狭どころか関東大震災の後のデマゴーグ再来である。など、新風内からこのような主張が出てくると、逆に驚嘆してしまいますね。
幼稚な排外主義より大事なものがあると主張していることは高く評価しておきたいと思います。ただし、「日本の暮らしとは氏子、氏神、産土神の信仰に基ずく日本古来の伝統と文化であること」はそのまま同意はしませんが。江戸時代には檀家制度が戸籍に近い役割を果たし(更にはキリスト教の定着阻止の役割も果たし)、日本の歴史全体を見ても、必ずしも氏子制度が突出していたとは思えませんので。ただし、これはまた別の話題なので、ここでは深く議論をしません。
この、瀬戸弘幸さん界隈の人々に説いて聞かせたいコラムを書いた『維新政党・新風』埼玉県本部幹事長の渡邊昇さんですが、残念なことに、瀬戸さんや西村さんたちと裁判を傍聴中に騒ぎすぎて即決裁判で拘留された人でした。
拘留されたことも残念なんですが、割と瀬戸さんや西村さんと一緒に活動することが多いのに、彼らが所謂ネトウヨを調子づかせて利用するだけ利用し、「偏狭どころか関東大震災の後のデマゴーグ再来」という存在に育て上げてしまったのに、それを諌めて新風が本来追求すべき道しるべを示せなかったということが何より残念です。
とりあえず、残念な人のコラムであるということは脇に置き(主張は割とまともなので)、次回こそ新風をデマゴーグ化しようとしている有門大輔さんの主張と、今回の渡邊昇さんの主張、新風の公式サイトから読み取れる道徳観や方針、公式声明などを併読してみようと思います。
何となく書き出す前から結果が見えているような気もしますが。
1 コメント:
有門大輔氏に注目するのは非常にいい観点だと思います。私は、有門大輔氏が瀬戸弘幸氏の言動に及ぼしている影響は絶大だと思っていますので。むしろ、瀬戸弘幸氏の行動を決めているのは有門大輔氏ではないかとすら考えています。
もっとも、例の新風声明に対する両者の反応は対照的でしたが。
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