拝啓 瀬戸弘幸 殿

平成21年10月10日、徐才喜冤罪事件の取材記録が瀬戸家の石倉から出てきたとの喜ばしい報告を下さってから、早いもので8ヶ月が経過しました。

地裁の判決文全文(特に公印は必須)と、新聞が大きく報じたという、徐才喜さんの逮捕の記事の公表はまだでしょうか?

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2009年4月7日火曜日
暴力行為法とは? (追記あり)

「入学式の日に街宣車で来る」などと小学校の校長を脅したとして、兵庫県警公安2課などは4日、暴力行為法違反容疑で自称学習塾経営、増木重夫(56)=大阪府豊中市=と自称進学塾講師、遠藤健太郎(36)=大阪市北区=の両容疑者を逮捕した。
というニュースが小さな盛り上がりを見せているようですが、「暴力行為法」とは何ぞやという話題に触れている人が居ないようなので、軽く触れてみます。

暴力行為等処罰ニ関スル法律
第一条   【集団的暴行、脅迫、毀棄の加重類型】
団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ刑法(明治40法律第45号)第208条、第222条又ハ第261条ノ罪ヲ犯シタル者ハ3年以下ノ懲役又ハ30万円以下ノ罰金ニ処ス

第一条ノ2   【銃砲刀剣類による加重傷害】
1. 銃砲又ハ刀剣類ヲ用ヒテ人ノ身体ヲ傷害シタル者ハ1年以上15年以下ノ懲役ニ処ス
2. 前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
3. 前2項ノ罪ハ刑法第3条、第3条の2及第4条の2ノ例ニ従フ

第一条ノ3   【常習的な傷害、暴行、脅迫、毀棄の加重類型】
常習トシテ刑法第204条、第208条、第222条又ハ第261条ノ罪ヲ犯シタル者人ヲ傷害シタルモノナルトキハ1年以上15年以下ノ懲役ニ処シ其ノ他ノ場合ニ在リテハ3月以上5年以下ノ懲役ニ処ス

第二条   【集団的、常習的な面会強請・強談威迫の罪】
1. 財産上不正ノ利益ヲ得又ハ得シムル目的ヲ以テ第1条ノ方法ニ依リヲ為シタル者ハ1年以下ノ懲役又ハ10万円以下ノ罰金ニ処ス
2. 常習トシテ故ナク面会ヲ強請シ又ハ強談威迫ノ行為ヲ為シタル者ノ罰亦前項ニ同シ

第三条   【集団的犯罪等の請託】
1. 第1条ノ方法ニ依リ刑法第199条、第204条、第208条、第222条、第223条、第234条、第260条又ハ第261条ノ罪ヲ犯サシムル目的ヲ以テ金品其ノ他ノ財産上ノ利益若ハ職務ヲ供与シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ為シタル者及情ヲ知リテ供与ヲ受ケ又ハ其ノ要求若ハ約束ヲ為シタル者ハ6月以下ノ懲役又ハ10万円以下ノ罰金ニ処ス
2. 第1条ノ方法ニ依リ刑法第95条ノ罪ヲ犯サシムル目的ヲ以テ前項ノ行為ヲ為シタル者ハ6月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ100万円以下ノ罰金ニ処ス

主に暴力団の集団恣意行為を処罰するために使われている法律です。増木さんらが行った行為が相当悪質だと判断された可能性大です。

増木さんは学校に「街宣かけるぞ」と脅しをかけた事で適用されたようですが、これを「不当逮捕だ」と非難する前に、瀬戸弘幸さん、西村修平さん、桜井誠さんなどが共催してきた街宣や、面会強要等に適用されてもおかしくない法律である事を認識しないと、早晩同じ轍を踏むことになります。

まず、第一条を見ると「団体若は多衆の威力を示し、団体若は多衆を仮装して威力を示し」とあります。大勢で威力を誇示したり、ヘルメット+覆面+日章旗のような仮装で個人商店を脅すような行為は、公安が同法適用の意思を持てば簡単にアウトになるでしょう。

殺人、障害、暴行、器物損壊などだけでなく「脅迫」でアウトになるところがポイントです。脅してると取られれば、その時点で同法適用の逮捕は十分あり得ます。

次に、第二条もチェックしておきましょう。「面会を強請し又は強談威迫の行為(※強引な直談判や、脅して何かをさせようとする行為)」は、不正利益を得ることが目的なら一発アウト。そうでなくとも常習的であればアウトです。

洋品店に対して大声で「許さないぞー」とシュプレヒコールをあげた事を忘れてはいないでしょうが、ああした行為を繰り返せば、強談威迫行為を常習的に行ったと解釈されて逮捕されても文句は言えません。

矢野市議は、弱いところに抗議を続けろとシンポジウムで発言していますが、常習的な強談威迫行為をしろと発言しているに等しいので、今後はむしろ、それを制止する側に回られた方が良いと思います。

逮捕された増木さんは、主権回復と在特会の関西代表を務めていた関係上、余罪の追及をされた場合は、所属団体が行っている抗議活動等にも公安の目が向く可能性は十分にあります。そして、逮捕に至るだけの法的根拠は十分にあるので、「常習」していると判断されるような事は絶対に避けるべきです。

素直に謝罪して、今後はそうした行為をしないと意思表示しておくのが最良だと思うのですが、いかがでしょうか。

【追記】
記事を上げた直後に、新しい歴史教科書をつくる会WATCHさんのブログで「暴力行為等処罰ニ関スル法律」に触れるエントリーが掲載されているのに気づきました。

よって冒頭の"「暴力行為法」とは何ぞやという話題に触れている人が居ない"は撤回します。該当エントリーは「つくる会」古参会員を逮捕 公安警察です。



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